在留資格とは?全29種類の一覧・就労制限・取得方法を行政書士が解説

在留資格とは?全29種類の一覧・就労制限・取得方法を行政書士が解説

公開日 2026/10/13

更新日 2026/10/17

# ビザ申請について

この記事でわかること

  • 在留資格とビザ(査証)の違いと、在留カードの見方
  • 在留資格全29種類の一覧と、働けるかどうかによる4つの分類
  • 目的別の在留資格の選び方と、主な在留資格の取得条件
  • 取得・変更・更新の手続きと、2026年10月からの手数料・審査期間の目安
  • 外国人を雇用する企業が守るべきルールと、2027年4月までの主な制度改正

要点:在留資格とは、外国人が日本でできる活動や身分を定めた資格で、入国のためのビザ(査証)とは別のものです。種類は29で、働けるかどうかで「就労できる19種類」「原則として就労できない5種類」「就労制限のない4種類」「指定された活動による特定活動」の4つに分かれます。2026年10月1日からは、変更・更新の手数料が許可される在留期間に応じて10,000〜75,000円(オンライン申請は10,000〜65,000円)、永住許可の手数料が200,000円になりました。2027年4月1日には、育成就労制度の開始、永住許可の新しい基準の適用、不法就労助長罪の厳罰化が控えています。

日本で働く、日本人と結婚して暮らす、外国人を採用する。どの場面でも最初に確認するのが「在留資格」です。在留資格は29種類あり、種類ごとに認められる仕事や滞在できる期間が決まっています。

在留資格とビザを混同したまま準備を進めると、申請先や必要書類を取り違えるおそれがあります。この記事では、在留資格の種類と就労制限、取得・変更・更新の手続き、近年の制度改正について、2026年10月時点の制度をもとに解説します。

在留資格とは?基本的な仕組みとビザとの違い

在留資格は、日本にいる外国人が何をして暮らせるのかを決める資格で、入国のときに使うビザ(査証)とは役割が異なります。まずは言葉の違いと、在留カードの見方を押さえておきましょう。

在留資格とは日本での活動や滞在を認める法的な資格

在留資格とは、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づいて、外国人が日本でできる活動や、日本で認められる身分・地位を種類ごとに定めたものです。外国人は、許可された在留資格の範囲でしか日本で活動できません。ここが、在留資格を考えるときの出発点です。

在留資格は、大きく2つの系統に分かれます。1つは、仕事や留学など日本での活動内容に応じて与えられるもので、入管法の別表第一に定められています。もう1つは、日本人の配偶者や永住者といった身分・地位に応じて与えられるもので、別表第二に定められています。

活動に基づく在留資格で在留している方が、許可を受けずに本来の活動以外の仕事で報酬を得ることは、入管法第19条第1項で禁じられています。違反すると不法就労となり、退去強制の対象になることがあります。一方、身分・地位に基づく在留資格には活動の制限がなく、職種を問わず働けます。

なお、在日韓国・朝鮮人の方などの特別永住者は、入管特例法という別の法律に基づく地位で、29種類の在留資格には含まれません。

在留資格とビザ(査証)の違い

「ビザが下りれば日本で働ける」と考えている方は、ここで両者の違いを確認してください。ビザとは、正式には「査証」といい、海外にある日本大使館や総領事館が発給する、入国のための推薦状にあたるものです。外務省の管轄で、空港などで受ける上陸審査の際に、パスポートとあわせて確認されます。上陸が許可されると査証の役割は終わり、その時点で在留資格と在留期間が決まります。

これに対して在留資格は、入国したあとの活動を決めるものです。管轄は出入国在留管理庁で、在留中の変更や更新も同庁に申請します。日本にいる間の手続きで、査証を取り直すことはありません。

海外から就職のために来日する場合、手続きは次の順で進みます。

  1. 受け入れ企業が、地方出入国在留管理局に在留資格認定証明書を申請する
  2. 本人が証明書を受け取り、現地の日本大使館などで査証を申請する
  3. 査証を受けて来日し、上陸許可を受けた時点で在留資格が決まる

上陸許可と同時に在留カードが交付されるのは、成田や羽田などの主要な空港から入国した場合です。それ以外の空港では、市区町村に住居地を届け出たあとに在留カードが郵送されます。観光などの短期滞在であれば査証が免除される国・地域もありますが、その場合に認められるのは短期滞在の活動だけで、報酬を得て働くことはできません。

就労ビザ・配偶者ビザ・永住ビザは正式名称ではない

「就労ビザ」「配偶者ビザ」「永住ビザ」は、いずれも在留資格を指す通称です。申請書や在留カードには正式名称が書かれるため、調べるときは正式名称で探すと、必要な情報にたどり着きやすくなります。通称と正式名称の対応は次のとおりです。

  • 就労ビザ:技術・人文知識・国際業務、経営・管理、特定技能など、働ける在留資格の総称
  • 配偶者ビザ:日本人の配偶者等、または永住者の配偶者等
  • 永住ビザ:永住許可を受けて得る「永住者」の在留資格

就労ビザが1つの資格ではない点には注意しましょう。同じ飲食店で働く場合でも、本国料理の調理師として働くなら「技能」、店舗運営の管理業務に就くなら「技術・人文知識・国際業務」というように、仕事の中身で当てはまる在留資格が変わります。

また、永住と帰化もよく混同されます。帰化は日本国籍を取得する手続きで、申請先は法務局です。国籍を変えずに日本で暮らし続ける永住とは、まったく別の制度です。

在留資格・在留期間・在留カードの違いと確認方法

在留資格は「日本で何ができるのか」、在留期間は「いつまで日本にいられるのか」を示し、在留カードはこれらを証明するカードです。勤務先から在留期限の確認を求められたときなどは、在留カードの次の欄を確認します。

確認したいこと 在留カードで見る場所
在留資格(日本でできる活動や身分) 表面の「在留資格」欄
いつまで日本にいられるか 表面の「在留期間の満了日」
働けるかどうかと、働ける範囲 表面の「就労制限の有無」欄
本来の活動以外で働ける範囲 裏面の「資格外活動許可欄」

在留カードは、3か月を超えて日本に在留する中長期在留者に交付され、短期滞在の方には交付されません。在留期間は、在留資格ごとに定められた5年、3年、1年などの中から個別に決まります。永住者と高度専門職2号の方は在留期間に期限がありませんが、在留カードには有効期間があります。2026年6月13日までに交付されたカードは交付日から7年(16歳未満の方は16歳の誕生日まで)、同年6月14日以降に交付されたカードは交付後10回目の誕生日まで(18歳未満の方は5回目の誕生日まで)で、いずれも期限が来る前にカードの有効期間更新申請が必要です。

2026年6月14日以降に交付される新しい様式の在留カードでは、「在留期間(の年数)」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が券面に記載されなくなりました。在留期限は、券面の「在留期間の満了日」で確認できます。券面にない項目のうち、在留期間(の年数)、許可の種類、許可年月日の3つは、出入国在留管理庁が無料で公開している「在留カード等読取アプリケーション」(2026年8月19日以降の版)でICチップから読み取れます(交付年月日は読み取れません)。カードが失効していないかは、同庁のウェブサイトの「在留カード等番号失効情報照会」で確認できます。

参考:在留カードとは?(出入国在留管理庁)

在留資格全29種類の一覧と4つの分類

2026年10月時点の在留資格は29種類で、働けるかどうかによって4つに分けられます。2027年4月1日に技能実習が育成就労に置き換わった後も、数は29種類のままです。本人や採用予定者の在留資格がどの分類に入るかで、就ける仕事の範囲が決まります。

就労が認められる在留資格(19種類)

外国人の採用を考えている企業は、任せたい仕事がこの19種類のどれに当てはまるかを最初に確認します。これらは、在留資格ごとに定められた活動の範囲で、報酬を得て働くことが認められる在留資格です。

該当するのは、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習の19種類です。外交や公用は外国政府の職員向けのため、民間企業の採用で検討するのは、技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能実習などが中心になります。

働けるのは、あくまで定められた活動の範囲だけです。たとえば、通訳として「技術・人文知識・国際業務」の許可を受けた方を、工場の製造ラインで働かせることはできません。在留資格に合わない仕事をさせると、本人は不法就労、雇った企業は不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

原則として就労できない在留資格(5種類)

文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在の5種類は、在留資格そのものでは報酬を得る活動が認められていません。留学生をアルバイトとして雇いたい、家族滞在で来日した配偶者がパートで働きたい、という場合に関係するのがこの分類です。

このうち留学と家族滞在の方は、資格外活動許可を受ければ、原則として週28時間以内でアルバイトなどができます。資格外活動許可とは、本来の活動を妨げない範囲で、在留資格の外の仕事を認める許可です。一方、観光や親族訪問で使われる短期滞在で報酬を得ることは、原則として認められていません。

就労制限がない身分・地位に基づく在留資格(4種類)

永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4種類は、身分・地位に基づく在留資格で、仕事の内容に制限がありません。専門性を問われないため、飲食店のホールや工場の軽作業など、就労系の在留資格では認められにくい仕事にも就けます。雇用する企業は、日本人と同じ条件で採用を検討できます。

ただし、在留の根拠は身分・地位そのものです。日本人の配偶者等の方が離婚した場合、更新の際に同じ在留資格を維持できないことがあります。配偶者としての活動を正当な理由なく6か月以上行っていない場合は、在留資格の取消しの対象にもなります(入管法第22条の4第1項第7号)。

指定された活動によって就労の可否が決まる在留資格(特定活動)

特定活動とは、ほかの在留資格に当てはまらない活動について、法務大臣が個別に内容を指定する在留資格です。ワーキングホリデー、外交官の家事使用人、卒業後も就職活動を続ける留学生など、対象はさまざまです。

同じ特定活動でも、働けるかどうかは指定された内容で変わります。ワーキングホリデーのように働ける類型もあれば、資格外活動許可がなければ働けない類型もあります。指定の内容は、パスポートに貼られる「指定書」に記載されています。

在留資格29種類の一覧表(主な対象者と在留期間)

29種類の主な対象者と在留期間を、分類ごとにまとめると次のとおりです。在留期間の欄は、その在留資格で付与される期間の選択肢です。

就労が認められる在留資格(定められた活動の範囲で就労可)

在留資格(英語名) 主な対象者 在留期間
外交
Diplomat
外国政府の大使、公使とその家族 外交活動を行う期間
公用
Official
外国政府などの公務に従事する人とその家族 5年、3年、1年、3か月、30日、15日
教授
Professor
大学教授など 5年、3年、1年、3か月
芸術
Artist
作曲家、画家、作家など 5年、3年、1年、3か月
宗教
Religious Activities
外国の宗教団体から派遣される宣教師など 5年、3年、1年、3か月
報道
Journalist
外国の報道機関の記者、カメラマンなど 5年、3年、1年、3か月
高度専門職
Highly Skilled Professional
ポイント制で認められた高度人材 1号は5年、2号は無期限
経営・管理
Business Manager
企業の経営者、管理者 5年、3年、1年、6か月、4か月、3か月
法律・会計業務
Legal/Accounting Services
弁護士、公認会計士など 5年、3年、1年、3か月
医療
Medical Services
医師、歯科医師、看護師など 5年、3年、1年、3か月
研究
Researcher
政府関係機関や企業の研究者など 5年、3年、1年、3か月
教育
Instructor
中学校・高校などの語学教師など 5年、3年、1年、3か月
技術・人文知識・国際業務
Engineer/Specialist in Humanities/International Services
技術者、通訳、デザイナー、語学講師など 5年、3年、1年、3か月
企業内転勤
Intra-company Transferee
海外の事業所からの転勤者 5年、3年、1年、3か月
介護
Nursing Care
介護福祉士 5年、3年、1年、3か月
興行
Entertainer
俳優、歌手、プロスポーツ選手など 3年、1年、6か月、3か月、15日
技能
Skilled Labor
外国料理の調理師、スポーツ指導者など 5年、3年、1年、3か月
特定技能
Specified Skilled Worker
特定産業分野で働く人 1号は3年以内で個別に指定、2号は3年、2年、1年、6か月
技能実習
Technical Intern Training
技能実習生 1号は1年以内、2号・3号は2年以内で個別に指定

原則として就労が認められない在留資格

在留資格(英語名) 主な対象者 在留期間
文化活動
Cultural Activities
日本文化の研究者など 3年、1年、6か月、3か月
短期滞在
Temporary Visitor
観光客、会議の参加者など 90日、30日、15日以内の日単位
留学
Student
大学、専門学校、日本語学校などの学生 4年3か月以内で個別に指定
研修
Trainee
研修生 1年、6か月、3か月
家族滞在
Dependent
就労系の在留資格などで在留する人の配偶者と子 5年以内で個別に指定

特定活動(就労は指定の内容による)と、身分・地位に基づく在留資格(就労制限なし)

在留資格(英語名) 主な対象者 在留期間
特定活動
Designated Activities
ワーキングホリデー、外交官の家事使用人など 5年、3年、1年、6か月、3か月、または5年以内で個別に指定
永住者
Permanent Resident
永住許可を受けた人 無期限
日本人の配偶者等
Spouse or Child of Japanese National
日本人の配偶者、実子、特別養子 5年、3年、1年、6か月
永住者の配偶者等
Spouse or Child of Permanent Resident
永住者や特別永住者の配偶者、日本で生まれ引き続き在留している子 5年、3年、1年、6か月
定住者
Long-Term Resident
日系3世、外国人配偶者の連れ子など 5年、3年、1年、6か月、または5年以内で個別に指定

実際にどの在留期間が認められるかは、申請のたびに、勤務先の安定性や本人の在留状況などを踏まえて個別に決まります。また、特定技能1号は、通算の在留期間が原則5年までという上限もあります。

目的別に見る在留資格の選び方

在留資格は、日本で何をするのかという目的から選びます。同じ目的でも、学歴や職歴、家族関係によって候補が変わるため、目的ごとに検討の順番を見ていきましょう。

日本企業に就職して働く場合

日本の会社から内定をもらった方が最初に確かめるのは、任される仕事の中身です。大学や専門学校で学んだ知識を使う事務職、エンジニア、通訳などであれば、「技術・人文知識・国際業務」が候補になります。介護、建設、農業など人手不足の産業分野で現場の仕事に就く場合は、技能試験と日本語試験に合格して「特定技能」を取得する方法があります。外国料理の調理師は「技能」、介護福祉士の資格を持つ方は「介護」、学歴や年収が高い方は「高度専門職」も検討できます。

判断の分かれ目は、学んだ内容と仕事の関連です。経済学部を卒業した方が経理や貿易事務に就く場合は、認められやすい傾向があります。一方、専攻と関係のない現場作業が中心の仕事は、「技術・人文知識・国際業務」の対象になりません。

日本で起業・会社経営をする場合

日本で会社を設立して自ら経営したい方が取得するのは、「経営・管理」です。2025年10月16日の改正で許可基準が大きく変わり、資本金等3,000万円以上、常勤職員1人以上の雇用、3年以上の経営・管理の経験か関連分野の修士などの学位、一定の日本語能力などが、そろって必要になりました。自宅を事業所と兼ねることも、原則として認められません。

改正前の資本金500万円を前提に準備を進めていた方は、計画を一から見直しましょう。

すでに永住者や日本人の配偶者等の在留資格を持っている方は、在留資格を変えずに起業できます。国や自治体の起業支援制度を利用し、特定活動の在留資格で起業の準備をする方法もあります。

日本に留学・研修・短期滞在する場合

日本の大学や日本語学校で学ぶ場合は「留学」、日本の機関で技術や知識を学ぶ場合は「研修」、観光や商談、親族訪問で短く滞在する場合は「短期滞在」が当てはまります。

短期滞在で認められる期間は最長90日です。会議への出席や商談はできますが、日本の会社から報酬を受けて働くことはできません。研修も、研修生として報酬を受けることは認められていません。

留学生のアルバイトは、資格外活動許可を受けたうえで、原則として週28時間以内に限られます。卒業後に日本で就職するには、「技術・人文知識・国際業務」などへの在留資格の変更が必要です。

このほか、特定活動の在留資格には、海外の有力大学を卒業して5年以内の方が就職活動や起業の準備のために最長2年滞在できる未来創造人材制度(J-Find)や、海外の企業などに属したまま日本でリモートワークをする方が最長6か月滞在できるデジタルノマドの類型もあります。

日本人や永住者と結婚して暮らす場合

日本人と結婚した方は「日本人の配偶者等」、永住者と結婚した方は「永住者の配偶者等」が候補です。どちらも法律上の婚姻が前提で、事実婚のパートナーは対象になりません。

審査では、結婚が形だけのものでないかが確認されます。出会いから結婚までの経緯や交際期間、同居の状況は、申請時に提出する質問書で説明し、写真や通話の記録などで裏付けます。夫婦の収入が少ない場合は、日本で生活を続けられる見込みも審査の対象です。

家族を日本に呼び寄せる場合

就労系の在留資格や留学の在留資格で在留している方が、配偶者と子を呼び寄せる場合は「家族滞在」を申請します。家族滞在の対象は扶養を受ける配偶者と子に限られ、親や兄弟姉妹は含まれません。

在留資格によっては、家族を呼び寄せられないこともあります。特定技能1号と技能実習の方は家族を帯同できず、特定技能2号に移行すると、配偶者と子の帯同が認められます。日本人と結婚した外国人配偶者の連れ子であれば、「定住者」の在留資格で呼び寄せる道があります。

親を呼び寄せるための在留資格は、原則としてありません。高度専門職の方が7歳未満の子の養育のために親を呼ぶ場合など、限られた場面で特定活動が認められるだけです。

日本で長く生活・定住したい場合

将来も日本で暮らし続けたい方が目指すのは、在留期間の更新がなく、活動の制限もない「永住者」です。永住許可を受けるには、原則として10年以上日本に在留し、そのうち5年以上は就労系の在留資格(技能実習と特定技能1号を除く)や居住系の在留資格で在留していることが求められます。

永住のほかにも、長く日本で暮らせる在留資格があります。日系3世などが対象の「定住者」、在留期間が無期限の「高度専門職2号」、更新を続けられる「特定技能2号」がその例です。

外国人の就職・採用で使われる主な在留資格と取得条件

外国人の採用で多く使われているのは、技術・人文知識・国際業務、技能実習、特定技能の3つです。2025年末時点の在留者数は、技術・人文知識・国際業務が475,790人、技能実習が456,618人、特定技能が390,296人でした(出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。

ここでは、それぞれの取得条件と、経営者や高度人材、転勤者向けの在留資格を、2026年10月時点の基準で説明します。

技術・人文知識・国際業務|エンジニア・事務職・通訳など

大学を卒業した外国人をエンジニアや総合職として採用する場合、多くはこの在留資格を申請します。「技術・人文知識・国際業務」とは、理系の技術、文系の知識、外国の文化に根ざした感性を必要とする仕事に就くための在留資格です。システムエンジニア、機械設計、経理、人事、営業、通訳、翻訳、語学講師、デザイナーなどが代表例です。

許可を受けるには、主に次の条件を満たす必要があります。

  • 仕事に関連する科目を専攻して大学を卒業したか、日本の専門学校を修了している
  • 学歴の条件を満たさない場合は、技術・知識の分野で10年以上、国際業務で3年以上の実務経験がある
  • 日本人が同じ仕事をする場合と同等額以上の報酬を受ける

大学を卒業した方が翻訳、通訳、語学指導に就く場合は、実務経験を問われません。専攻と仕事の関連は、大学よりも専門学校の卒業者のほうが厳しく見られます。

対象外になるのは、専門性を必要としない現場作業が中心の仕事です。採用を決める前に、任せる仕事の内容が在留資格に当てはまるかを確認しておきましょう。

特定技能1号・2号|対象分野と1号・2号の違い

介護施設や飲食店、建設現場など、人手不足が深刻な現場で即戦力として働く外国人を受け入れるのが「特定技能」です。特定技能1号は相当程度の知識や経験を、2号は熟練した技能を必要とする仕事が対象です。

対象となる特定産業分野は、2026年1月23日の閣議決定で、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野が加わり、19分野になりました。2026年10月時点で、1号の申請書類が公表されているのは、資源循環を除く18分野です。

また、外食業分野では、在留者数が受入れ見込数(受け入れの上限)を超える見込みとなったため、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時停止する措置がとられました。分野ごとの最新の受け入れ状況は、出入国在留管理庁の特定技能のページで確認してください。

1号と2号の主な違いは次のとおりです。

項目 特定技能1号 特定技能2号
取得方法 技能試験と日本語試験に合格、または技能実習2号を良好に修了 分野ごとの2号評価試験などに合格し、実務経験の要件を満たす
在留期間 3年以内で個別に指定 3年、2年、1年、6か月
通算の上限 原則5年 上限なし
家族の帯同 原則不可 配偶者と子は可
企業の支援 支援計画の作成と実施が必要 不要
対象分野 19分野 11分野

1号の外国人を受け入れる企業は、住居の確保や日本語学習の機会の提供などを盛り込んだ支援計画を作り、実施する義務を負います。自社で対応しきれない場合は、支援を登録支援機関に委託できます。

雇用は原則として直接雇用で、派遣が認められるのは農業と漁業だけです。同じ分野の別の会社に転職する場合も、在留資格の変更許可を受け直す必要があります。

参考:在留資格「特定技能」(出入国在留管理庁)

技能実習|制度の目的と育成就労への移行

技能実習生を受け入れている企業や、これから受け入れを考えている企業は、制度が2027年4月1日に切り替わる点を押さえておく必要があります。技能実習とは、開発途上国などへの技能の移転を通じた国際協力を目的とする制度です。

在留資格は1号(1年)、2号(2年)、3号(2年)に分かれ、最長5年まで実習を続けられます。多くの企業は、監理団体を通じて実習生を受け入れ、実習生ごとに作る技能実習計画について、外国人技能実習機構の認定を受けています。家族の帯同は認められず、実習先の変更も原則としてできません。

2027年4月1日に育成就労制度が始まると、技能実習の新たな受け入れは終わります。その時点で在留している実習生は、認定を受けた計画に沿って実習を続けられます。育成就労の受け入れに向けた手続きは施行日の前から始まっており、監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から、育成就労計画の認定申請は同年9月1日から受け付けられています。

経営・管理|日本での起業・会社経営と改正後の許可基準

日本で会社を設立して経営する方や、日本企業の管理職として招かれる方が取得するのが「経営・管理」です。2025年10月16日に許可基準が改正され、新たに申請する場合は、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 資本金や出資の総額が3,000万円以上(個人事業の場合は、事業所の確保や職員の給与1年分、設備投資など、事業に投下した総額が3,000万円以上)
  • 日本人、特別永住者、または永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者の在留資格を持つ常勤職員を1人以上雇用する
  • 申請者か常勤職員のどちらかが、日本語能力試験N2程度(日本語教育の参照枠のB2相当)以上の日本語能力を持つ
  • 経営・管理の経験が3年以上あるか、関連する分野の博士・修士・専門職の学位を持つ
  • 事業計画書について、中小企業診断士、公認会計士、税理士のいずれかの確認を受ける

事業所も、事業の規模に見合ったものを確保しなければなりません。自宅を事業所と兼ねることは原則として認められず、業務を外部に委託していて経営者としての活動の実態が乏しい場合も、許可の対象外です。更新の際には、雇用保険や社会保険の加入状況と、法人税や消費税などの納付状況も確認されます。

参考:「経営・管理」の許可基準の改正等について(出入国在留管理庁)

高度専門職|高度人材ポイント制と特別高度人材制度(J-Skip)

研究者やエンジニア、企業の経営者のうち、学歴や年収が高い方は、優遇措置のある「高度専門職」を検討できます。高度人材ポイント制とは、学歴、職歴、年収、年齢などの項目ごとのポイントを合計し、70点以上の方に高度専門職1号を認める仕組みです。

高度専門職1号の在留期間は一律5年で、配偶者のフルタイムの就労や、一定の条件のもとでの親の帯同が認められます。永住許可の申請に必要な在留期間も短くなり、70点以上で3年、80点以上で1年です。

2023年4月に始まった特別高度人材制度(J-Skip)では、ポイントを計算せずに高度専門職の在留資格を得られます。研究者や技術者は、修士以上の学位か10年以上の実務経験に加えて年収2,000万円以上、経営者は5年以上の実務経験と年収4,000万円以上が要件です。J-Skipで1年以上在留すると、在留期間が無期限の高度専門職2号に移行でき、永住許可も1年の在留で申請できます。

企業内転勤|海外の関連会社から日本へ転勤する場合

海外の本社や子会社で働く社員を、日本の拠点に一定期間異動させる場合に使うのが「企業内転勤」です。本店と支店のほか、親会社、子会社、関連会社の間の転勤も対象になります。

転勤の直前に、海外の事業所で1年以上続けて勤務していることが条件です。日本で就く仕事は、「技術・人文知識・国際業務」に当たる内容に限られ、日本人と同等額以上の報酬も求められます。学歴や10年の実務経験は問われないため、大学を卒業していない社員を日本に呼ぶ場合に検討されます。

技能・介護・教育・医療|専門職に認められる在留資格

特定の資格や熟練した技能を持つ方のために、職種ごとの在留資格も用意されています。採用で検討されることが多いのは、次の在留資格です。

  • 技能:外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者など
  • 介護:介護福祉士の資格を持ち、介護施設などで働く方
  • 教育:小学校、中学校、高校などで語学などを教える教員
  • 医療:日本の資格を持つ医師、歯科医師、看護師など

「技能」の在留資格で外国料理の調理師として働くには、原則として10年以上の実務経験が必要です。経験は、本国の勤務先が発行する在職証明書などで示します。勤務先がすでに閉店しているなど、書類を集めにくい事情がある場合は、早めに準備を始めましょう。

結婚・家族・永住に関する在留資格と取得条件

結婚や家族、永住に関する在留資格は、仕事の内容ではなく、家族関係や日本での暮らしの実績を根拠に許可されます。永住許可は、2026年10月1日にガイドラインが改定され、2027年4月1日以降の申請から審査の基準が大きく変わります。

日本人の配偶者等|結婚・親子関係に基づく取得条件

日本人と結婚し、日本で一緒に暮らすために申請するのが「日本人の配偶者等」です。対象は、日本人の配偶者のほか、日本人の実子、日本人の特別養子です。普通養子は対象になりません。

申請の前提は、日本と相手の国の両方で、法律上の婚姻が成立していることです。婚姻の事実が載った戸籍謄本、相手の国の結婚証明書、交際の経緯を記入する質問書、日本人配偶者の課税証明書と納税証明書などを提出します。交際期間が短い、共通の言語がない、といった事情がある場合は、経緯を裏付ける資料を厚めにそろえる必要があります。

離婚や死別のあとも、日本人の実子を日本で育てている場合などには、「定住者」への変更が認められることがあります。

永住者の配偶者等|対象となる配偶者・子と申請の要件

永住者や特別永住者と結婚した方は、「永住者の配偶者等」を申請します。永住者などの子も対象ですが、日本で生まれ、そのまま日本に在留している子に限られます。海外で生まれた子を呼び寄せる場合は、「定住者」などを検討します。

審査で見られる点は、日本人の配偶者等とほぼ同じです。婚姻が実態を伴っていること、夫婦の収入で生活を続けられることを、永住者側の在留カードや住民票、課税証明書などで示します。日本で子どもが生まれた場合は、出生から30日以内に在留資格の取得を申請しなければなりません。

永住者|永住許可の要件と2027年4月からの新しい基準

日本で長く暮らし、今後も日本を生活の拠点にしたいという方が検討するのが永住許可です。入管法第22条第2項は、素行が善良であること、独立して生計を営めること、永住が日本の利益に合うことの3つを要件としています。

2027年3月31日までの申請では、主に次の点が確認されます。

  • 原則として引き続き10年以上在留し、そのうち5年以上は就労系の在留資格(技能実習と特定技能1号を除く)か居住系の在留資格で在留している
  • 罰金刑などを受けておらず、税金や年金、医療保険の保険料を期限どおりに納めている
  • 住所の届出など、入管法上の届出の義務を守っている
  • 現在の在留資格で、定められた最長の在留期間を持っている

申請前に未納分をまとめて納めても、本来の納付期限を過ぎていれば、原則として不利に評価されます。最長の在留期間は多くの在留資格で5年ですが、2027年3月31日までの申請では、在留期間3年でもこの条件を満たすものとして扱われます。2027年4月1日以降の申請でも、2027年3月31日の時点で在留期間「3年」を持っていた方が、同日以降に初めて申請し、かつ4月1日からその3年の期限までの間に許可・不許可の処分を受ける場合に限り、3年が最長の在留期間とみなされます。

10年の在留期間には特例があります。日本人や永住者の配偶者は、実体のある婚姻生活が3年以上続き、日本に1年以上在留していれば申請できます。高度人材ポイントが70点以上の方は3年、80点以上の方や特別高度人材は1年の在留で申請できます。「定住者」として5年以上在留している方も申請できます。

2026年10月1日の改定後のガイドラインは、2027年4月1日以降の申請から適用されます。主な変更点を、改定前の基準と比べると次のとおりです。

項目 2027年3月31日までの申請 2027年4月1日以降の申請
日本語能力 要件なし 日本語教育の参照枠でB1相当(身近な話題なら自立してやり取りできる水準)以上
制度の理解・子の就学 要件なし 日本の制度やルールの理解と、学齢期の子どもの就学(小学校・中学校)が考慮される
年金 保険料を期限どおり納めているか 納付状況に加え、将来受け取れる年金の見込額が、日本人世帯の平均収入を上回る年収で30年間働き厚生年金に加入した場合の受給見込額に達しているか(足りない分を補える金融資産があれば、達しているものと評価)
配偶者・実子の特例 婚姻生活3年以上かつ日本に1年以上在留。実子は日本に1年以上在留 婚姻生活5年以上かつ日本に3年以上在留。実子も日本に3年以上在留
長期の出国 個別に判断 過去10年のうち、合理的な理由なく1回で半年以上、または通算で2年6か月以上日本を離れていた場合は、原則として不利に評価
最長の在留期間 「3年」でも満たすものとして扱う 原則として最長の在留期間(多くは5年)。2027年3月31日時点で「3年」を持つ方の初回の申請には経過措置あり

日本語能力は、高度人材とその家族、日本で初等教育・中等教育(小学校・中学校・高校など)を通算6年以上受けた方、日本で生まれた永住者の子(養育する親がB1相当以上の日本語能力を持つ場合)には求められません。

また、世帯の収入が、世帯の人数に応じた日本人世帯の平均収入を継続して上回っているかという収入の基準と、生活保護などの公共の負担になっていないかという基準は、2026年4月1日以降に申請し、2026年10月1日の時点で審査中の案件にもすでに適用されています(ガイドライン第6)。永住を考えている方は、申請の時期によって適用される基準が変わる点に気をつけましょう。

永住者に在留期間の制限はありません。ただし、在留カードには有効期間があります。2026年6月13日までに交付されたカードは交付日から7年(16歳未満の方は16歳の誕生日まで)、同年6月14日以降に交付されたカードは交付後10回目の誕生日まで(18歳未満の方は5回目の誕生日まで)で、期限が来る前に有効期間更新申請をしなければなりません。出国の際にみなし再入国許可を使った場合、1年以内に日本へ戻らないと、永住者の在留資格を失います。

2027年4月からは、故意に税金や社会保険料を納めない場合なども、永住許可の取消しの対象に加わります。ただし、特段の事情がない限り、ほかの在留資格に変更して在留を続けられる仕組みです。

参考:永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)(出入国在留管理庁)

定住者|対象となる外国人と永住者との違い

「定住者」とは、法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の期間を指定して日本での居住を認める在留資格です。日系3世、日本人や永住者の配偶者が連れてきた未成年で未婚の実子、第三国定住難民などが、告示で対象として定められています。告示にない場合でも、日本人の実子を育てている方が離婚した場合など、個別の事情から認められることがあります。

仕事に制限がない点は永住者と同じです。違いは在留期間で、定住者は5年、3年、1年などの期間ごとに更新を申請しなければなりません。定住者として5年以上在留すると、10年を待たずに永住許可を申請できます。

家族滞在|扶養を受ける配偶者・子の範囲と注意点

「家族滞在」とは、就労系の在留資格や留学の在留資格で在留する方の扶養を受けて暮らす、配偶者と子のための在留資格です。親や兄弟姉妹は対象外で、特定技能1号と技能実習の方の家族も対象になりません。

扶養を受けていることが前提のため、収入を得るために働く場合は資格外活動許可が必要で、時間は原則として週28時間以内に限られます。成人した子が自立して働いている場合は、扶養を受けているとはみなされません。扶養する本人の収入が家族の生活を支えられる水準かどうかも、在職証明書や課税証明書で確認されます。

日本の高校を卒業した家族滞在の子が日本で就職する場合は、一定の条件のもとで、「定住者」や「特定活動」への変更が認められています。卒業後の進路が決まる前に、変更できる条件に当てはまるかを確かめておくと安心です。

在留資格による就労制限と働くときの注意点

就労できる在留資格を持っていても、働ける仕事の内容や時間には制限があります。本人が気づかないまま範囲を超えると、次の更新で不許可になるだけでなく、雇った企業も責任を問われます。

就労できる在留資格でも認められる仕事内容に制限がある

繁忙期だけ、「技術・人文知識・国際業務」の社員を工場のラインや倉庫の作業に回したい、と考える企業もあるかもしれません。こうした仕事は在留資格の活動に含まれないため、短期間であっても認められません。

例外は、入社直後の研修の一環として、期間を区切って現場の仕事を経験させる場合です。日本人の新入社員も同じ研修を受けること、研修のあとに在留資格に合った仕事に就くことを、研修計画などで示せれば認められることがあります。

範囲を超えて働いた本人は、資格外活動として処罰や退去強制の対象になるおそれがあります。企業の側も、仕事の内容を知りながら働かせていれば、不法就労助長罪に問われます。

留学生や家族滞在者がアルバイトをする場合の資格外活動許可

留学生や家族滞在の方がアルバイトを始める前には、出入国在留管理庁で資格外活動許可を受けておく必要があります。申請に手数料はかかりません。留学の在留資格で新たに来日する方は、主要な空港で上陸許可を受ける際に、あわせて申請することもできます。

許可を受けると、在留カードの裏面にある資格外活動許可欄に、「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」という内容が記載されます。雇う側の企業は、採用前にこの欄を必ず確認してください。

資格外活動許可の「原則週28時間以内」のルールと例外

資格外活動許可で働ける時間は、原則として1週間に28時間以内です。どの曜日から数えても7日間で28時間を超えてはならず、アルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての勤務時間を合計して数えます。

例外は、留学生の長期休業期間です。学校の学則で定められた夏休みなどの期間に限り、1日8時間以内まで働けます。家族滞在の方には、この例外はありません。

時間の範囲内であっても、キャバクラやパチンコ店など風俗営業の店で働くことは認められません。接客をしない皿洗いや清掃の仕事でも同じです。

28時間の上限を超えて働いていたことは、卒業後に就労系の在留資格へ変更する際の審査で、課税証明書などから分かることがあります。その結果、内定が決まっていても変更が許可されない場合があります。アルバイトを掛け持ちしている方は、勤務時間を自分でも記録しておきましょう。

特定活動の就労の可否は指定書の内容によって異なる

特定活動の在留資格を持つ方を雇う場合は、在留カードだけでなく、パスポートに貼られた指定書も確認します。指定書には、その方に認められた活動の内容が具体的に書かれています。

同じ特定活動でも、扱いは大きく異なります。ワーキングホリデーは風俗営業を除いて働けますが、大学を卒業したあと就職活動を続けている方は、資格外活動許可がなければ働けません。日本の大学を卒業し、高い日本語能力を持つ方向けの類型のように、接客を含む幅広い仕事が認められるものもあります。

在留カードの「就労制限の有無」欄に「指定書により指定された就労活動のみ可」と書かれている場合は、指定書の範囲でしか働けません。

転職・副業で在留資格の変更や確認が必要になるケース

転職したときに必要な手続きは、仕事の内容が変わるかどうかで決まります。「技術・人文知識・国際業務」の方が、別の会社で同じ種類の仕事に就く場合は、在留資格の変更は不要です。その代わり、本人が14日以内に、出入国在留管理庁へ所属機関に関する届出をしなければなりません。

通訳から調理師になるなど、仕事の内容が在留資格の範囲から外れる場合は、在留資格変更許可申請が必要です。特定技能や高度専門職1号の方は、仕事の内容が同じでも、勤務先を変えるたびに変更許可を受けます。

新しい仕事が今の在留資格の範囲に入るか判断しにくいときは、就労資格証明書を申請して確認できます。就労資格証明書とは、その仕事が在留資格の範囲内であることを、出入国在留管理庁が証明する書類です。

本業とは別に副業で報酬を得る場合も注意が必要です。副業の内容が今の在留資格の範囲に入らなければ、事前に資格外活動許可(個別許可)を受けておかなければなりません。

退職したまま、正当な理由なく3か月以上本来の活動をしていない場合は、在留資格の取消しの対象になります。退職後は、次の勤務先が決まるまでの就職活動の記録を残しておくと、事情を説明しやすくなります。

在留資格の取得・変更・更新の主な申請手続き

在留資格の手続きは、海外にいる方を呼び寄せるのか、日本にいる方の在留資格を変えるのか、期間を延ばすのかで、申請の種類が分かれます。主な6つの申請と、申請から在留カードを受け取るまでの流れを紹介します。

海外から外国人を呼び寄せる場合|在留資格認定証明書交付申請

海外に住む外国人を採用する場合や、海外にいる配偶者を日本に呼ぶ場合は、まず在留資格認定証明書を申請します。在留資格認定証明書とは、日本で予定している活動が在留資格に当てはまることを、入国前に出入国在留管理庁が証明する書類です。

本人は海外にいるため、受け入れ企業の職員や日本にいる親族などが代わりに申請します。申請先は、受け入れ企業の所在地か本人の居住予定地を管轄する地方出入国在留管理官署で、申請に手数料はかかりません。証明書は、紙のほか電子メールでも受け取れます。

交付された証明書の有効期間は3か月です。この間に本人が現地の日本大使館などで査証を受け、日本に入国しなければなりません。期限を過ぎると証明書は使えなくなり、申請をやり直すことになります。

日本での活動の目的が変わる場合|在留資格変更許可申請

留学生が日本の会社に就職する、家族滞在の方がフルタイムで働き始める、会社員が独立して会社を経営する。このように日本での活動が変わるときは、在留資格変更許可申請をします。

新しい活動を始められるのは、変更が許可されてからです。4月に入社する留学生であれば、入社日までに許可が下りるよう、卒業前のうちに申請しておく必要があります。観光などの短期滞在からの変更は、やむを得ない特別な事情がある場合に限られます。

日本での滞在期間を延長する場合|在留期間更新許可申請

今の在留資格のまま日本で同じ活動を続ける場合は、在留期限が来る前に在留期間更新許可申請をします。在留期間が6か月以上の方は、期限の3か月前から申請できます。

期限までに申請していれば、審査中に期限を過ぎても、結果が出るまで、または期限から2か月が経つまでのどちらか早い日まで、適法に在留できます。反対に、申請しないまま期限を1日でも過ぎると不法残留となり、退去強制の対象になります。更新の申請は期限の直前ではなく、余裕をもって済ませておきましょう。

日本で永住を希望する場合|永住許可申請

永住許可申請は、要件を満たしていれば、在留期限とは関係なくいつでも申請できます。申請には、日本に住む日本人、永住者または特別永住者に、身元保証人になってもらう必要があります。

注意したいのは、永住許可を申請しても、今の在留資格の期限は延びない点です。審査中に在留期限が来る場合は、別に在留期間更新許可申請をしなければなりません。許可を受けるときの手数料は、2026年10月1日以降の申請から200,000円になっています。

日本で生まれた外国人などの場合|在留資格取得許可申請

外国籍の両親のもとに日本で子どもが生まれた場合は、出生から30日以内に在留資格取得許可申請をします。日本国籍を離れた方なども、同じ申請の対象です。

まず市区町村に出生届を出し、そのあとで地方出入国在留管理官署に申請するのが一般的な順番です。生まれてから60日以内に日本を出国する場合は、この申請をしなくても構いません。

今の在留資格で働けることを証明する場合|就労資格証明書交付申請

就労資格証明書は、転職先での新しい仕事が今の在留資格で認められるかを、前もって確かめたいときに使います。申請は任意ですが、転職後の最初の更新で、仕事が在留資格に合わないと判断されるリスクを減らせます。

採用する企業にとっても、就労資格証明書は確認の手段になります。中途採用の候補者に提出を求めれば、在留カードだけでは分からない仕事の範囲を書面で確かめられます。

申請から審査・許可・在留カードの受け取りまでの流れ

申請の種類が違っても、手続きはおおむね次の順で進みます。

  1. 当てはまる在留資格を確かめ、必要書類を集める
  2. 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口か、オンラインで申請する
  3. 審査中に追加資料の提出を求められたら、指定された期限内に出す
  4. 窓口申請ははがき、オンライン申請は電子メールで結果の通知を受ける
  5. 手数料を納め、新しい在留カードを受け取る

窓口で申請した場合の手数料は、収入印紙で納めます。オンライン申請の手数料は、2026年10月1日からコンビニ決済か銀行決済で納める方法に変わり、別に決済手数料がかかります。追加資料の提出期限を守らないと、資料がそろわないまま審査され、不許可になることがあります。

申請の条件・必要書類・費用・審査期間

申請の準備では、何が審査され、何を出し、いくらかかり、どのくらい待つのかを先に把握しておきます。手数料は2026年10月1日に大きく改定されたため、それより前の情報をもとに予算を立てていた方は見直しが必要です。

在留資格の審査で確認される主な条件

在留資格の審査では、まず予定している活動が、在留資格の定める活動に当てはまるかが確認されます。就労系の在留資格の多くは、学歴や報酬額などの基準も省令で定められています。

変更や更新の審査では、出入国在留管理庁のガイドラインに沿って、次の点も総合的に見られます。

  • 素行が不良でないこと
  • 独立して生計を営めること
  • 雇用や労働の条件が適正であること
  • 税金を納め、入管法上の届出の義務を守っていること

これらはあくまで判断の材料で、条件をそろえれば必ず許可されるというものではありません。許可するかどうかは、出入国在留管理庁が個別の事情をふまえて判断します。

本人が準備する主な書類

申請者本人が用意する書類は、在留資格や申請の種類によって異なりますが、多くの申請で共通するものがあります。

  • 申請書と、規格に合った写真
  • パスポートと在留カード
  • 卒業証明書、在職証明書などの学歴や職歴を示す書類
  • 住民税の課税証明書と納税証明書

日本の役所で発行される証明書は、発行から3か月以内のものを出します。外国語の書類には、日本語の訳文を付けなければなりません。

受け入れ企業や配偶者などが準備する書類

就労系の在留資格では、受け入れる企業の側でも書類をそろえます。「技術・人文知識・国際業務」などでは、企業の規模や前年の源泉徴収税額などに応じて4つのカテゴリーに分かれ、上場企業などは提出書類が少なくて済みます。

企業が用意する主な書類は、雇用契約書か労働条件通知書、登記事項証明書、直近の決算書、前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表などです。日本人の配偶者等を申請する場合は、日本人配偶者の戸籍謄本、住民票、課税証明書と納税証明書、身元保証書などをそろえます。

申請の費用と2026年10月の手数料改定

在留資格の変更と在留期間の更新の手数料は、2026年10月1日以降の申請から、許可される在留期間に応じた額に変わりました。それまでは、窓口申請で一律6,000円、オンライン申請で5,500円でした。

許可される在留期間 窓口申請 オンライン申請
3か月以下 10,000円 10,000円
3か月超6か月以下 18,000円 15,000円
6か月超1年未満 25,000円 21,000円
1年 33,000円 27,000円
1年超3年未満 48,000円 42,000円
3年以上5年未満 64,000円 56,000円
5年以上 75,000円 65,000円

永住許可の手数料は、10,000円から200,000円に上がりました。手数料の額は、希望した期間ではなく、実際に許可された在留期間で決まります。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降になっても改定前の額です。オンライン申請の場合は、表の額のほかに決済手数料がかかります。

この改定は、2026年5月29日に成立し6月5日に公布された入管法等の改正法(令和8年法律第32号)で、手数料の法律上の上限が変更・更新は10万円、永住許可は30万円に引き上げられ、その範囲内で政令が実際の額(最大75,000円と200,000円)を定めたものです。「永住許可の手数料は30万円」という情報を見かけることがありますが、30万円は法律上の上限で、実際に納める額は200,000円です。

生活保護を受けている方に準ずる程度に生活が苦しく、かつ人道上の配慮が必要な方は、手数料が減額される場合があります(どちらか一方だけでは対象になりません)。減額後の額は、変更・更新が10,000円、永住許可が20,000円です(永住許可の減額は、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や子などに限られます)。減額を受けるには、窓口で申請する必要があります。

なお、在留資格認定証明書交付申請と資格外活動許可の申請には、手数料がかかりません。行政書士などに依頼する場合の報酬(代行報酬)は、これらの手数料(法定費用)とは別にかかります。

参考:令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について(出入国在留管理庁)

申請から結果が出るまでの審査期間の目安

審査にかかる期間の目安は、出入国在留管理庁が「標準処理期間」として公表しています。主な申請の標準処理期間は次のとおりです。

申請の種類 標準処理期間
在留資格認定証明書交付申請 1か月〜3か月
在留資格変更許可申請 1か月〜2か月
在留期間更新許可申請 2週間〜1か月
永住許可申請 4か月〜6か月

同庁は、在留資格ごとに実際にかかった日数の平均も毎月公表しています。時期や在留資格によっては、標準処理期間より長くかかることも珍しくありません。入社や入学が重なる春先は申請が集中しやすいため、入社日などから逆算して、早めに申請してください。

オンライン申請と窓口申請の違い

在留資格の申請は、地方出入国在留管理官署の窓口のほか、在留申請オンラインシステムからもできます。両者の主な違いは次のとおりです。

項目 オンライン申請 窓口申請
申請できる人 マイナンバーカードを持つ本人、所属機関の職員、行政書士など 本人、申請取次者など
受付時間 原則24時間 平日の受付時間内
納め方 コンビニ決済または銀行決済 収入印紙
手数料の額 窓口より安い期間区分がある(別に決済手数料) 上の表の窓口申請の額
手数料の減額 対象外 減額の申請ができる
特定在留カード 申請できない(当面は窓口のみ) 申請できる(市区町村の窓口でも転入届などと同時に申請可)

オンライン申請なら、出入国在留管理局に出向いて順番を待つ必要がありません。一方で、書類はすべて電子データで提出するため、スキャンの不備や入力の誤りがあると、補正のやり取りに時間がかかります。

申請が不許可になる主な理由と対処方法

不許可の理由は、在留資格の要件に合わない、生計や雇用の条件に不安がある、書類に不備や矛盾がある、過去の在留状況に問題がある、の4つに大きく分けられます。理由ごとに、申請前に確認できる点と、不許可になったあとの動き方が異なります。

学歴・職歴・仕事内容が在留資格の要件に合っていない

就労系の在留資格でよくあるつまずきは、学んだ内容と仕事の中身が結び付かないことです。情報工学を専攻した方がプログラマーとして働くなら説明は容易ですが、同じ方がホテルの客室清掃に就くのでは、「技術・人文知識・国際業務」の対象になりません。

職務内容の書き方にも注意が必要です。実際には通訳や海外取引の担当なのに、募集要項の業務欄に接客や販売とだけ書いてあれば、単純作業と受け取られるおそれがあります。申請書と雇用契約書、会社の説明資料で、仕事の内容が同じように具体的に書かれているかを確かめてください。

収入・雇用条件・事業の安定性に問題がある

報酬が日本人と同等額以上でない場合や、採用する企業の経営が不安定な場合も、不許可の理由になります。同じ職場の日本人の新卒社員より給与が低い、直近の決算が大幅な赤字で事業の継続が見通せない、といった事情があると、審査は慎重になります。

赤字の企業でも、すぐに不許可になるわけではありません。今後の事業計画や資金の見通しを説明する資料を添えれば、許可される可能性は残ります。結婚や家族の在留資格では、夫婦や扶養する人の収入で生活を続けられるかが、同じように確認されます。

書類の不足・記載の不備・説明の食い違いがある

書類の不足や記載の誤りも、不許可の理由になります。特に注意したいのは、以前の申請との食い違いです。前回の申請書と今回の履歴書で職歴の年数が違う、結婚の経緯の説明が配偶者と本人で一致しない、といった点は、虚偽の申請を疑われるきっかけになります。

出入国在留管理庁には、過去の申請書類が残っています。以前の申請の控えを手元に保管しておき、今回の内容と照らし合わせてから提出してください。

過去の在留状況・納税状況・法令違反が審査に影響する

過去の在留中のふるまいも、更新や変更の審査で確認されます。留学中に週28時間を超えてアルバイトをしていた、住民税や国民健康保険料を滞納していた、引っ越しの届出をしていなかった、といった事実は、不利に評価されます。

罰金刑を受けた場合や、交通違反を繰り返している場合も同様です。未納の税金などは、気づいた時点で納めて証明書を取り直しておくと、事情の説明がしやすくなります。

不許可になった場合の理由の確認と再申請の進め方

不許可の通知を受けたら、まず申請した地方出入国在留管理官署で、理由の説明を受けます。通知書の記載だけでは具体的な理由が分からないことが多いため、窓口で何が足りなかったのかを確認し、記録しておきます。

再申請するのは、不許可の理由を解消してからです。同じ書類のまま出し直しても、結果は変わりにくいためです。

更新や変更が不許可になった時点で在留期限が過ぎている場合は、出国の準備のための短い在留期間が認められることがあります。この期間に再申請の準備を進めるか、いったん帰国して在留資格認定証明書から申請し直すかを判断しましょう。

なお、在留に関する処分には、行政不服審査法に基づく審査請求ができません。処分そのものの取消しを求めるには裁判所に訴えを起こす必要があり、その代理は弁護士の業務です。

外国人を雇用する企業が知っておくべき在留資格の管理ルール

外国人を雇う企業には、採用前の確認、採用と退職のときの届出、在留期限の管理という3つの場面で守るべきルールがあります。どれも怠ると、本人ではなく企業の側が罰則の対象になります。

採用前に在留カード・就労制限・資格外活動許可を確認する

外国人の採用が決まったら、内定を出す前に在留カードの原本を確認します。確認する箇所は次のとおりです。

  • 表面の在留資格と、任せる仕事が合っているか
  • 表面の在留期間の満了日が過ぎていないか
  • 表面の就労制限の有無欄の記載
  • 裏面の資格外活動許可欄の記載

カードの写しを受け取るだけでは、偽造を見抜けません。出入国在留管理庁の在留カード等番号失効情報照会(2026年1月5日からアドレスが変わりました)や、在留カード等読取アプリケーションで、カードが有効かも確かめてください。2026年6月14日以降に交付された新しい様式の在留カードは、在留期間の年数や許可の種類が券面に記載されないため、必要に応じて読取アプリケーション(2026年8月19日以降の版)で確認します。

採用・退職時の外国人雇用状況の届出と入管への届出

外国人を雇い入れたときと、その外国人が離職したときは、ハローワークへ外国人雇用状況の届出をする義務があります。対象はすべての事業主で、外交と公用の在留資格の方と、特別永住者だけが除かれます。

届出の期限は、雇用保険に加入するかどうかで変わります。雇用保険の被保険者になる方は、資格取得届を雇い入れた月の翌月10日までに、資格喪失届を離職日の翌日から10日以内に、在留資格などを書き込んで出します。被保険者にならない方は、雇い入れと離職のどちらも、翌月の末日までに届け出ます。届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象です。

出入国在留管理庁に対しても届出があります。「技術・人文知識・国際業務」などで働く本人は、転職や退職のあと14日以内に、所属機関に関する届出をしなければなりません。企業の側にも、受け入れの開始や終了を届け出る努力義務があり、特定技能の外国人を受け入れる企業には、受け入れの状況などを届け出る義務が別に定められています。

配置転換・業務の変更による在留資格への影響

社内の異動でも、在留資格が問題になる場合があります。通訳として採用した社員を製造現場の作業員に配置転換すれば、在留資格の範囲を外れます。

配置転換や業務の変更を決める前に、新しい仕事が今の在留資格の範囲に入るかを確かめてください。範囲から外れるなら、在留資格の変更許可を受けてから異動させます。中途で採用する外国人には、前職と仕事の内容が変わる場合に、就労資格証明書の提出を求めておくと、仕事の範囲を書面で確かめられます。

在留期限の管理と更新手続きのタイミング

在留期限の管理を本人任せにすると、更新を忘れたまま期限を過ぎてしまうことがあります。社員ごとに在留期間の満了日を一覧で管理し、満了日の3か月前を目安に本人へ知らせる仕組みを作っておきましょう。

期限の前に更新を申請していれば、審査中に期限が過ぎても、結果が出るまでか期限から2か月までは働き続けられます。申請中であることは、在留カードの裏面に押される申請中の印で確認できます。申請していないまま期限が過ぎた社員を働かせれば、不法就労をさせたことになります。

不法就労助長罪の対象となる行為と罰則

不法就労助長罪とは、入管法第73条の2が定める、外国人に不法就労をさせた側を処罰する罪です。対象になる行為は、次の3つです。

  • 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせること
  • 不法就労活動をさせるために、外国人を自分の支配下に置くこと
  • 業として、不法就労活動をさせる行為などをあっせんすること

不法就労には、在留期限が切れた方を働かせること、資格外活動許可のない留学生を働かせること、在留資格の範囲を超えた仕事をさせることが含まれます。外国人が働けないことを知らなかったとしても、在留カードを確認しなかったなどの過失があれば、処罰を免れません。

2026年10月時点の法定刑は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です。違反した従業員だけでなく、法人にも罰金刑が科されます。2024年の入管法改正により、法定刑は2027年4月1日から5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金に引き上げられます(施行日は令和7年政令第340号で定められ、育成就労制度の開始と同じ日です)。

在留資格に関する近年の制度改正と今後の動き

2025年から2027年にかけて、外国人の受け入れに関わる制度の見直しが続いています。採用や申請の計画に影響する主な改正を、時期の順に並べると次のとおりです。

時期 改正の内容と主な影響
2025年10月16日 経営・管理の許可基準の改正
資本金等3,000万円以上、常勤職員1人以上などが必要に
2026年1月23日 特定技能と育成就労の分野別運用方針の閣議決定
特定技能の対象が19分野に
2026年6月14日 在留カードの新様式と特定在留カードの導入
券面の記載事項が変わり、マイナンバーカードと一体化したカードも選べるように
2026年10月1日 在留許可手数料の改定、永住許可ガイドラインの改定
変更・更新は最大75,000円、永住許可は200,000円に
2027年4月1日 育成就労制度の開始など
技能実習の新規受け入れが終わり、永住許可の新しい基準が適用される。不法就労助長罪の法定刑が5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金に引き上げられ、特定技能1号の支援の委託先が登録支援機関に限定される

このほか、2026年の入管法等の改正(令和8年法律第32号)では、手数料の上限引き上げとあわせて、査証を免除されて短期滞在で入国する方を対象にした電子渡航認証制度(JESTA)の創設が決まっています。施行日は2029年3月31日までの間で政令で定める日とされており、観光や商談で来日する方や、海外から人を招く企業は、今後の告知に注意してください。

特定技能の対象19分野への拡大と受け入れ条件の見直し

特定技能の対象分野は、制度が始まった2019年以降、段階的に見直されてきました。2024年3月には自動車運送業、鉄道、林業、木材産業が加わって16分野となり、2026年1月23日の閣議決定で、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環を加えた19分野になりました。

受け入れの条件も見直されています。1号の1回あたりの在留期間は、以前は1年が上限でしたが、現在は3年以内で個別に指定されます。2号の在留期間には2年の区分が加わりました。2024年の法改正では、1号の外国人への支援を外部に委託する場合の委託先を、登録支援機関に限ることも決まっています。

経営・管理の2025年10月の許可基準改正と経過措置

経営・管理の基準は、2025年10月16日に、資本金等3,000万円以上、常勤職員1人以上の雇用、日本語能力、経営の経験などを求める内容に改められました。すでに経営・管理で在留している方にとって気になるのは、更新の扱いです。

改正前から在留している方が2028年10月16日までに更新を申請する場合は、新しい基準を満たしていなくても、経営の状況や基準を満たす見込みなどをふまえて判断されます。審査では、経営の専門家の評価を受けた文書の提出を求められることがあります。2028年10月16日を過ぎてからの更新では、原則として新しい基準に適合していなければなりません。

永住への影響もあります。経営・管理の在留資格から永住許可を申請する場合、改正後の基準を満たしていなければ許可されません。なお、2025年10月15日までに受け付けた申請には、改正前の基準が適用されています。

技能実習に代わる育成就労制度(2027年4月開始)と経過措置

技能実習は2027年4月1日に廃止され、新たに育成就労制度が始まります。育成就労とは、人手不足の分野で外国人を原則3年かけて育て、特定技能1号の水準の人材にすることを目的とした制度です。

対象は、特定技能の19分野のうち、自動車運送業と航空を除く17分野です。技能実習と違い、同じ分野の中であれば、一定の期間働き、技能や日本語の試験に合格するなどの条件を満たしたうえで、本人の希望で職場を変えられます。監理団体は監理支援機関に、外国人技能実習機構は外国人育成就労機構に、それぞれ役割を引き継ぎます。

経過措置として、2027年4月1日の時点で在留している技能実習生は、認定を受けた計画に沿って実習を続けられます。施行日の前に計画の認定を申請した実習も、定められた期限までに始まれば、技能実習として受け入れられます。これから受け入れを予定している企業は、技能実習と育成就労のどちらで受け入れるかを、計画の認定申請の時期から逆算して決めておきましょう。

在留カードの新様式と在留手続きの変更点

2026年6月14日から、在留カードは新しい様式に切り替わりました。新様式では、在留期間の年数、許可の種類、許可年月日、交付年月日が券面に記載されません。このうち在留期間の年数、許可の種類、許可年月日は、在留カード等読取アプリケーション(2026年8月19日以降の版)で読み取れます。顔写真が表示される年齢も、16歳以上から1歳以上に広がっています。

同じ日から、マイナンバーカードの機能を持たせた「特定在留カード」も申請できるようになりました。希望する場合は、地方出入国在留管理官署の窓口のほか、市区町村の窓口でも転入届などの住居地の届出と同時に申請できます。在留申請オンラインシステムでは当面受け付けていないため、窓口での申請に限られます。交付までは最短でも2週間前後かかり、通常の在留カードより10日ほど長くなります。初回以降の申請では、出入国在留管理庁の手数料1,900円と地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の手数料600円(電子証明書付きは800円)が必要になる場合があります。

手続きの面では、2026年10月1日から、オンライン申請の手数料が、収入印紙ではなくコンビニ決済か銀行決済で納める方法に変わりました。

在留資格についてよくある質問

在留資格について特に迷いやすい6つの疑問に、2026年10月時点の制度をもとにお答えします。

在留資格があればどんな仕事でもできますか?

できる仕事は、在留資格の種類によって決まります。永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4種類は、仕事の内容に制限がありません。それ以外の就労系の在留資格は、定められた活動の範囲でしか働けず、留学や家族滞在の方は、資格外活動許可を受けて原則として週28時間以内に限られます。

観光などの短期滞在から就労目的の在留資格に変更できますか?

原則としてできません。入管法第20条第3項は、短期滞在からの変更を、やむを得ない特別な事情がある場合に限って認めています。

観光で来日中に内定が出た場合も、いったん帰国し、受け入れ企業が在留資格認定証明書を申請して、本人が現地で査証を受けてから入国し直すのが基本の流れです。短期滞在で日本にいる間に認定証明書が交付され、変更が認められることもありますが、例外的な扱いと考えてください。

在留期限が切れてしまった場合はどうなりますか?

期限の前に更新や変更を申請していなかった場合、期限を1日でも過ぎると不法残留になります。不法残留は退去強制の対象で、退去強制されると、原則として5年(2回目以降は10年)、日本に入国できません。

自ら出入国在留管理局に出頭し、ほかに違反がないなどの条件を満たす場合は、出国命令制度を利用できることがあります。この場合、日本に入国できない期間は1年です。期限が過ぎていることに気づいたら、すぐに仕事を止め、出入国在留管理局や行政書士に相談してください。

転職するときは在留資格を取り直す必要がありますか?

新しい会社でも同じ種類の仕事を続けるなら、在留資格を取り直す必要はありません。その場合でも、退職と入社のそれぞれについて、14日以内に所属機関に関する届出が必要です。届出は、出入国在留管理庁の電子届出システムからオンラインでもできます。

仕事の内容が変わる場合や、特定技能、高度専門職1号の方が転職する場合は、在留資格の変更許可を受けてから働き始めます。

留学生が卒業後に日本で就職するにはどうすればよいですか?

内定が出たら、卒業前に、留学から就労系の在留資格への変更を申請します。多くは「技術・人文知識・国際業務」で、大学の専攻や専門学校で学んだ内容と、就職先の仕事が結び付いていることが条件です。

卒業までに就職先が決まらない場合は、学校の推薦を受けて、就職活動のための「特定活動」に変更できます。在留期間は6か月で、1回更新できるため、卒業後おおむね1年まで就職活動を続けられます。日本の大学を卒業し、日本語能力試験N1程度の日本語力がある方は、接客を含む幅広い仕事に就ける特定活動を利用できる場合もあります。

在留資格の申請は自分でもできますか?

申請は本人でもできます。住居地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口に出向くか、マイナンバーカードを使って在留申請オンラインシステムから申請します。

一方で、過去に不許可になったことがある、学んだ内容と仕事の関連を説明しにくい、経営・管理や永住を申請する、といった場合は、要件を満たすかどうかの判断が難しくなります。在留期限が迫っていて準備の時間がない場合も、行政書士への依頼を検討する価値があります。

在留資格の申請を行政書士に依頼するメリット

在留資格の申請は本人でもできますが、要件の判断や書類の組み立てに迷う場合は、行政書士に依頼する方法があります。依頼して得られることを、申請前の確認、書類の準備、手続きの代行の3つの場面に分けて説明します。

在留資格の種類や取得条件を事前に確認できる

申請してから要件を満たしていないと分かると、不許可の記録が残り、次の申請で説明しなければならない事情が増えます。行政書士に相談すれば、申請の前に、学歴や職歴と仕事の関連、受け入れ企業の経営状況、前回の申請との食い違いなどを確認できます。

制度の改正が続いている時期には、どの基準が適用されるかの確認も欠かせません。2026年10月からの手数料の改定や、2027年4月以降の永住許可の新しい基準のように、申請の時期によって扱いが変わる場面もあります。

申請書類の作成や審査に必要な説明資料の準備を任せられる

審査で重視されるのは、提出書類だけでは伝わりにくい事情をどう説明するかです。仕事の内容を具体的に示す職務内容説明書、採用の理由をまとめた雇用理由書、交際の経緯を補う資料などは、書き方によって審査官の受け止め方が変わります。

出入国在留管理庁に出す書類を、報酬を得て業として作成できるのは、弁護士と行政書士に限られます。経営・管理の事業計画書についても、行政書士は書類の作成を支援できます。ただし、2025年10月の改正で義務付けられた事業計画書の確認は、中小企業診断士、公認会計士、税理士が行います。

審査中に追加資料の提出を求められた場合も、何を求められているのかを読み解き、期限内に提出できるよう準備を手伝ってもらえます。

申請取次の行政書士に依頼する場合の手続きと費用の考え方

申請取次の届出をした行政書士は、本人に代わって申請書類を出入国在留管理局に提出できます。依頼すれば、本人が原則として出入国在留管理局に出向かずに申請できるため、平日に仕事を休めない方や、複数の外国人社員の更新をまとめて進めたい企業にとって、移動と待ち時間の負担が減ります。

依頼の費用は、行政書士への報酬(代行報酬)、国に納める手数料(法定費用)、証明書の取得費用や翻訳費用などの実費に分かれます。手数料は代行報酬とは別で、2026年10月からは、変更・更新で最大75,000円(窓口申請の場合)、永住許可で200,000円になっています。

代行報酬の額は事務所ごとに異なり、追加資料への対応や不許可になった場合の扱いでも変わります。見積もりを比べる際は、総額だけでなく、どこまでの作業が含まれているかを確認してください。

まとめ

在留資格は、日本でできる活動と滞在できる期間を決める資格で、29種類ごとに要件と働ける範囲が定められています。仕事の内容と在留資格が合っていなければ、本人は更新や変更が認められず、雇った企業も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。

2026年10月には、変更・更新の手数料が許可される在留期間に応じて最大75,000円に、永住許可は200,000円に上がりました。2027年4月には、育成就労制度の開始と、永住許可の新しい基準の適用が控えています。学んだ内容と仕事の関連を説明しにくい場合、過去に不許可や税金の納付の遅れがある場合、経営・管理や永住を申請する場合は、早めに専門家に相談しましょう。

行政書士法人 日本法務では、就労ビザ・配偶者ビザ・永住許可などの申請を、書類の作成から出入国在留管理局への申請まで代行しています。代行報酬(税込)は、就労ビザ・配偶者ビザが77,000円、在留期間の更新が33,000円(就労・介護で転職した場合は55,000円)、永住許可が88,000円です。万が一許可が取得できなかった場合は、代行報酬を全額返金します。法定費用(出入国在留管理局への手数料)と実費は別にかかります。正式なお見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。

参考資料と更新履歴

本記事は、2026年10月17日時点の法令と出入国在留管理庁の公表資料に基づいています。制度の改正が続いているため、申請の前には最新の情報を確認してください。

参照した主な資料(出入国在留管理庁)

更新履歴

  • 2026年10月17日:永住者等の在留カードの有効期間(2026年6月14日以降の交付分)、手数料改定の根拠法と減額の要件、永住許可ガイドラインの先行適用・経過措置・日本語要件の免除・年金の水準、不法就労助長罪の施行日、電子渡航認証(JESTA)、特定在留カードの申請方法を加筆・修正。一覧表に英語名を追加
  • 2026年10月13日:公開
佐藤 一清

執筆者

佐藤 一清

行政書士法人 日本法務 代表社員・行政書士。建設業許可・風俗営業関係の届出・在留資格申請など許認可業務を主な業務とし、令和8年8月に個人事務所 日本法務事務所から法人化。正確さとスピードを両立した法務サポートで、事業者のスタートアップを支える。(日本行政書士会連合会 登録番号 18081237)

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