取得までの期間はどのくらい?建設業許可が取れるまで

取得までの期間はどのくらい?建設業許可が取れるまで

公開日 2017/10/18

更新日 2026/10/14

# 申請手続き

建設業を新たに始めようと思った場合、どのくらいの手続き期間が必要なのでしょうか。営業上の都合上少しでも早く手元に建設業許可証がほしい場合もあると思います。ここでは、建設業許可を申請してから通知が届くまでの標準的な期間を説明します。

1. 建設業の許可申請にかかる期間

建設業の申請については、特に申請書類に問題がなければ1か月から3か月程度で完了します。上記は、間違いのない申請書類一式を窓口に提出してからの期間になります。内容に問題があれば修正等のやり取りが必要になり、さらに時間がかかります。

建設業の許可申請は内容や添付書類が非常に多く複雑です。できるだけ早く許認可を取得するためには、事前相談が非常に重要です。許可行政庁の窓口(東京都の知事許可であれば都庁の建設業課)で事前に相談し、提出予定の書類を持参して内容に関するアドバイスをもらいながら書類を整えるとよいと思います。

2. 知事許可と大臣許可

上記のように完了するまでの期間に大きな幅が存在するのは、下記の理由によります。建設業には、一口に「建設業許可」といっても2つの許可の区分が存在します。

まずは、営業所の所在地による分類です。複数の都道府県に営業所を設置して営業を行う場合は、国土交通大臣の許可が必要になります。これを大臣許可と言い、申請先は主たる営業所(本店)の所在地を管轄する地方整備局等です。

一つの都道府県内にのみ営業所を置いて営業を行う場合は、都道府県知事の許可が必要になります。これを知事許可と言います。

また、下請契約の発注金額の規模による分類もあります。一定以上の下請契約を締結する場合には特定建設業の許可が必要になります。それ以外の場合においては、一般建設業の許可で十分です。

上記の分類のうち、申請期間に影響するのは大臣許可なのか知事許可なのかという区分です。審査する機関が異なり、定められている標準処理期間(審査にかかる期間の目安)も大きく違うからです。

たとえば、東京都内にのみ営業所を持つ事業者が知事許可を取得する場合、提出先は東京都都市整備局(建設業課)で、審査もここで行われます。

一方、大臣許可の場合、以前は都道府県の窓口を経由して地方整備局へ書類が送られていましたが、令和2年(2020年)4月1日にこの経由事務が廃止されました。現在は、東京都に本店がある事業者であれば、関東地方整備局(建政部建設産業第一課)へ直接提出します。都道府県の窓口では受け付けていません。

国土交通省の通知「国土交通大臣に係る建設業許可及び建設業者としての地位の承継の認可の基準及び標準処理期間について」(令和6年12月13日最終改正)では、申請書類が地方整備局等に到達してから処分までの標準的な期間を、おおむね90日程度としています。この期間には、書類の不備を直す補正の期間や、追加の資料を求められてから提出するまでの期間は含まれません。行政手続きは法律や通知に基づいて行われ、ほとんどの手続きについてこうした標準処理期間が定められ、公表されています。

国土交通省「建設産業・不動産業:関係通達」

知事許可の場合、たとえば東京都では、標準処理期間を申請書の受付後25日(土日祝日などの閉庁日を除く)としています。

東京都都市整備局「建設業許可」

ただし、これはあくまでも目安ですので、実際にはさらに期間を要することもあります。反対に、早く許可が下りることもあります。

経験上、この期間より前に完了することが多いように思います。東京都であれば、2週間程度で完了することもあります。

3. 法人成りする場合

会社設立手続き

現在個人事業主として建設業を行っている方が、法人成りをする場合どのくらいの処理期間がかかるのでしょうか。国や都道府県からの各種営業許可については、組織が変更しても実態が同様であればそのまま引き継げるものとそうでないものがあります。

建設業許可は、以前は後者でした。個人で許可を受けている方が法人を設立した場合は、法人として許可を取り直す必要がありました。令和2年(2020年)10月の建設業法の改正により、現在は、事業を譲り渡す前に許可行政庁の認可を受ければ、個人の許可(許可番号)をそのまま新しい法人に引き継げます。認可は譲渡の前に受ける必要があり、あとから受けることはできません。また、許可を受けている建設業の一部だけを引き継ぐことはできません。

この認可を受けずに法人を設立した場合は、これまでどおり法人として新規に許可を申請することになります。その場合は、上記の審査期間に加えて、法人を設立する期間が必要です。

法人の設立については、法務局に申請して行います。法務局の混雑状況によりますが、申請書類を提出してからおおむね1週間あれば登記は完了します。提出書類に間違いや不備などがあればさらに時間がかかります。

司法書士などの専門家に依頼すれば、役員や発起人の設定など相談に乗ってくれると思います。

会社の規則を定めた「定款」についてもとくに内容にこだわらなければ一般的なフォーマットを提供してくれるでしょう。これらの書類の用意も1週間程度あれば足ります。したがって、全体として2週間もあれば会社の設立は完了します。

ただし、申請書類一式の中に取締役の就任承諾書があります。原則的には、ここに印鑑証明の添付と実印の押印が必要ですので取締役に就任する方が地方に住んでいる場合や、海外にいる場合などにはもう少し時間がかかりそうです。

社会保険への加入手続き

近年においては、建設業に従事する労働者の労働環境の向上のため、社会保険への加入義務の徹底が行われています。令和2年(2020年)10月からは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に適切に加入していることが建設業許可の要件になりました。申請の際には、加入状況を示す書類(保険料の納入通知書や領収書など)の添付が必要です。

個人事業主の場合は、社会保険への加入が義務となる最低人数が業種により定められています。一般的には5人と考えてよいでしょう。常時5人以上の従業員を雇用している場合、社会保険の設置・加入が義務となります。

一方、法人については法人を設立した段階で社会保険への加入が義務となります。代表取締役1人のみの会社であっても社会保険への加入は必要なことが多いです。建設業許可申請の際に、この社会保険の支払いに関する証明書類の添付が必要となっています。

労働保険については、基本的に個人と法人において加入要件に違いはありません。従業員を一人でも雇用した場合は常勤・非常勤にかかわらず労災保険に加入することが必要です。さらに、一週間の所定労働時間が20時間以上となるような場合はさらに雇用保険の加入が必要です。

労働保険については、代表取締役などの経営者は原則として加入の対象になりません。社長一人の会社について申請する場合には、労働保険の手続きは必要ないでしょう。これらの手続きは社会保険労務士に依頼できます。手続き自体はそう難易度の高いものではなく、法務局の登記申請などとは異なり、年金事務所(社会保険)や労働基準監督署・ハローワーク(労働保険)の窓口でその場で受け付けが完了します。

したがって、3~4日もあれば十分でしょう。手続きを行う際には、法人の謄本、従業員の住所・氏名・生年月日・年金番号等が必要です。


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佐藤 一清

執筆者

佐藤 一清

行政書士法人 日本法務 代表社員・行政書士。建設業許可・風俗営業関係の届出・在留資格申請など許認可業務を主な業務とし、令和8年8月に個人事務所 日本法務事務所から法人化。正確さとスピードを両立した法務サポートで、事業者のスタートアップを支える。(日本行政書士会連合会 登録番号 18081237)

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