防水工事とは?目的や種類・工事の流れについて

防水工事とは?目的や種類・工事の流れについて

公開日 2024/08/07

更新日 2026/10/15

# その他現場のヒント

日本国内の建物は老朽化が進んでおり、防水工事の需要も高まっています。
ビルなどの維持には欠かせない工事になるため、防水工事を施工できるよう、許可申請を予定している1人親方や職人さんもおられるでしょう。

防水工事は道路建設や住宅改修などの工事と相性がよいため、事業やノウハウをM&Aで取得した場合でも、メインの建設業とスムーズに連携できる場合があります。

今回は、防水工事の概要や工事の種類、防水工事の流れなどをわかりやすく解説します。

防水工事とは

防水工事とは、建物内部が漏水被害を受けないよう、雨水や雪を遮断する工事です。建築業における防水工事は建物の屋上やベランダ、地下室などが施行場所になっており、コンクリート構造物を水分から守ります。

左官工事業の許可があれば防水工事は可能ですが、建設業許可が不要な小規模工事(軽微な建設工事)以外であれば、原則として防水工事業の許可が必要です。また、トンネル工事などの防水施工は「とび・大工・コンクリート工事」の業種になるため、土木系の防水工事とは施工場所・施工方法ともに異なります。

防水工事の許可には営業所技術者(旧:専任技術者)配置などの要件があるため、詳細情報は各都道府県の担当窓口、または行政書士に確認してみましょう。

防水工事の種類

防水工事は建物の下地と防水層を密着させる「密着工法」、下地と防水層を密着させない「絶縁工法」に大別されます。さらに細かく分類すると以下の5種類があるため、施工法・施工材料などを参考にしてください。

ウレタン防水工事

ウレタン防水工事は密着工法や絶縁工法の主流になっており、ビルの屋上やベランダなどに施工されています。施工の際にはウレタン樹脂を塗布し、化学反応によって硬化させるため、シート防水が難しい複雑な形状の建物にも適しています。

また、防水層には2~3ミリの厚さが必要になり、均一に塗布しなければならないため、職人には十分な経験と技術が必要です。面積が広い屋上などは左官用のコテでウレタン樹脂を塗布しますが、ベランダの施工はローラーで仕上げるケースが多いでしょう。

FRP防水工事

FRP防水工事とは、建物の屋上などに強化プラスチック製のシートを敷き、表面に樹脂を塗って硬化させる工事です。強化プラスチックは船舶のボディや浴槽、車のボンネットなどに使われており、軽さと強度や工期の短さが特徴の素材です。

FRP防水工事の密着工法は下地・防水層・トップコートの三層ですが、絶縁工法の場合は下地と防水層の間に空気を通す層が入るため、四層構造になります。

また、FRP防水工事は荷重や摩耗、衝撃に強いため、屋上駐車場や工場の床など、面積の広い場所に施工するケースが多いでしょう。なお、工事で使用する樹脂にはスチレンという物質が含まれており、シンナーに似た刺激臭が発生するため、施工中は換気対策が必要です。

浸透性防水工事

浸透性防水工事とは、ケイ酸カリウム液体材料などをコンクリートの表面に塗布する工事です。塗布された材料によってコンクリートの微小な隙間が埋まり、内部にも浸透するため、コンクリート自体の防水性や耐久性を高める効果があります。

また、浸透性防水工事は塩害に強く、シート防水と異なり「はがれ」や「めくれ」が発生しません。主な施工場所は建物の屋上や地下部分ですが、貯水池や水槽、外壁などに施工するケースもあります。

アスファルト防水工事

アスファルト防水工事とは、建物の屋上などにアスファルトで防水層をつくる工事です。施工の際には液状に溶かしたアスファルトとアスファルトシートを組み合わせ、積層工法によって水密性を高めます。

主な工法にはアスファルトを溶解する熱工法、バーナーで炙るトーチ工法があり、熱が発生しない常温工法も増えています。また、従来仕様のアスファルト防水は15~25年程度の耐用年数ですが、積層枚数を増やした高耐久工法は50年以上の使用が可能です。

シート防水工事

シート防水工事とは、建物の屋上などに塩化ビニルやゴムシートを貼り付ける工法です。複雑な形状の施工場所には不向きですが、下地の素材を気にする必要がなく、防水性や耐久性にも優れています。

また、シート防水工事は素材の貼り付け作業のみとなるため、防水性能や品質にムラがなく、短期間で施工できるメリットもあります。ただし、下地に凹凸があると施工が難しくなるため、基本的には平らな面に施工します。

防水工事の目的

防水工事には主に3つの目的があり、建物の耐久性だけではなく美観にも影響します。住環境にも防水工事が大きく影響するため、建物には欠かせない工事といえるでしょう。

では、防水工事の目的について詳しく見ていきます。

建物の耐久性を高くする

防水工事で屋根や屋上などを保護すると、建物の耐久性が高くなります。

雨水などが建物内部に侵入した場合、コンクリートの中性化によって鉄筋に錆が発生するため、建物の強度が低下するでしょう。水分の侵入は木材の劣化も早めるため、木造建築にも防水工事が必要です。

建物の美観を保つ

雨水がコンクリートや木材に侵入した場合、天井や壁の染み、外壁の変色などを引き起こします。冬はコンクリート内部の水分が凍結し、膨張によってひび割れを発生させるため、強度の低下とともに見た目も悪くなるでしょう。建物の美観を長期的に保ちたいときは、防水工事が欠かせません。

カビを防止して建物の快適性を高める

建物に雨水が侵入するとカビが発生し、健康を損ねてしまう可能性があります。場合によってはアレルギー反応を引き起こすため、建物の快適性を高める場合も防水工事が必要です。

防水工事の流れ

防水工事とは?目的や種類・工事の流れについて
防水工事の流れは以下のようになっており、施工開始と完了は密着工法・絶縁工法ともに同じですが、途中の作業が大きく異なります。

  • 【ウレタン樹脂などの密着工法】
  • (1)下地の清掃
  • (2)下地のひび割れなどを補修
  • (3)プライマーの塗布
  • (4)ウレタン樹脂などの重ね塗り
  • (5)トップコートの塗布で完了
  • 【塩化ビニルシートなどの絶縁工法】
  • (1)下地の清掃
  • (2)プライマーの塗布
  • (3)ドレンなどのシーリング
  • (4)接着剤の塗布
  • (5)ルーフィングシートの張り付け
  • (6)シート接合部と立上り分部の処理
  • (7)トップコートの塗布で完了

ウレタン樹脂などの防水工事は雨天の際に施工できないため、天気予報のチェックが必要です。

まとめ

防水工事は建物の寿命を延ばし、美観にも大きく影響します。施工場所や防水材によって工事の流れは異なりますが、どの工法も建物内部へ雨水などを侵入させないため、快適な住環境を実現できます。

築年数の古い建物は防水効果が低下しているため、防水工事は再施工の需要も多いでしょう。「防水工事業の許可を取りたいが、申請方法がわからない」などの悩みがあれば、行政書士法人 日本法務の無料相談をご活用ください。

佐藤 一清

執筆者

佐藤 一清

行政書士法人 日本法務 代表社員・行政書士。建設業許可・風俗営業関係の届出・在留資格申請など許認可業務を主な業務とし、令和8年8月に個人事務所 日本法務事務所から法人化。正確さとスピードを両立した法務サポートで、事業者のスタートアップを支える。(日本行政書士会連合会 登録番号 18081237)

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