外壁塗装業で建設業許可は必要?請負工事の金額や取得する要件まで
公開日 2025/02/01
更新日 2026/10/15
この記事でわかること
- 外壁塗装業で建設業許可が必要な場合とは
- 建設業許可の概要
- 建設業許可を取得するための要件について
「外壁塗装業しか請け負っていないので、建設業許可は必要ないのでは?」と思うことがあるかもしれません。実際、塗装工事のみであれば工事の規模も小さく、建設業許可が必要ないケースが多いでしょう。しかし、場合によっては外壁塗装業のみでも建設業許可が必要になります。
今回は、外壁塗装業で建設業許可が必要になる場合と、許可取得の要件を解説していきます。
外壁塗装業者に建設業許可は必要?
建設業許可が必要になる工事とは、以下のような場合です。
- 請負金額が500万円以上の工事
- 請負金額が1500万円以上の建築一式工事、もしくは延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事
上記に当てはめると、外壁塗装でも500万円以上の工事を請け負う場合は建設業許可が必要です。対して500万円以下の軽微な工事であれば、許可は不要です。外壁塗装のみを行う場合、500万円以内に収まることがほとんどであるため、建設業許可がなくても問題ない場合が多いでしょう。
建設業許可の取得に関する注意点
500万円以上の工事を1件でも請け負う場合は、必ず建設業許可を取得する必要があります。「1件だけだから」と無許可で工事をすると、建設業法違反となり、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金となる可能性があります。
また、500万円は税込み価格である点にも注意しましょう。税抜き499万円の工事は、税込みにすると500万円を超えるため、建設業許可がなければ請け負えません。
500万円以上の工事を分割することも禁止されています。たとえば請負金額600万円の工事を200万円と400万円に分割し、それぞれ500万円以下の工事として受注することはできません。
建設業許可を取得するメリット
建設業許可を取得していれば、国や地方公共団体から公共工事を受注することができます。公共工事に携われば、企業として社会的信用を得ることにもつながるでしょう。
また、急な案件として500万円以上の工事依頼が来た場合でも、許可を取得していればすぐに対応できるため、機会損失を防ぐことにもなります。
建設業許可を取得する要件

建設業許可の取得に必要な要件は、以下の通りです。
- 経営業務の管理責任者
- 営業所技術者(旧:専任技術者)
- 誠実性
- 財産的基礎等
- 欠格要件
一つずつ見ていきましょう。
経営業務の管理責任者
経営業務の管理責任者になるためには、一定の経営経験を有する必要があります。
必要な経験は、以下の通りです。
- 建設業の経営管理経験、または経営者に準ずる地位での管理経験が5年以上あるもの
- 建設業で経営管理者の補佐業務経験が6年以上あるもの
- 建設業で役員経験が2年以上、他業種で役員経験が5年以上あるもの
- 5年以上の役員経験、かつ建設業の経験が2年以上あるもので、5年以上の財務・労務・運営管理経験者を補佐におく場合
管理責任者としての必要期間を満たしていない場合は、5年の経過を待つ、もしくは経験者を雇用することで対策ができます。
営業所技術者
営業所技術者は、営業所ごとに常駐が義務付けられている専門職です。
営業所技術者の要件は、以下のとおりです。
- 該当業種の国家資格取得者
- 所定学科の卒業後、実務経験3年以上あるもの
- 該当業種の実務経験10年以上あるもの
国家資格の取得、もしくは経験が必要です。要件を満たしていない場合は管理責任者と同様に、必要期間の経過を待つ、資格取得者・経験者を雇用することで対応できるでしょう。
誠実性
契約の締結や履行に際して、不誠実な行いをすることや不正を働くことが明らかであれば、許可はおりません。誠実に業務を履行することは、事業を営むものとして当然のことです。
また、誠実性は、許可を申請する事業主だけに限らず、経営に関わる役員にも求められるものであることを理解しておきましょう。
財産的基礎等
工事を請け負うにあたり、事前に資材の確保や機材の準備などのために一定の資金が必要です。そのため、申請する許可ごとに、財産的要件が定められています。要件は以下の通りです。
| 一般建設業 | 資本金が500万円以上あること、もしくは500万円の資金調達能力を有することのいずれか |
| 特定建設業 | ・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと ・流動比率が75%以上であること ・資本金の額が2000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4000万円以上であること 以上すべてに該当すること |
欠格要件
申請に関して虚偽の内容を記載した場合、当然許可は行われません。他にも、申請が認められない欠格要件は、以下のようなものがあります。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者である場合
- 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者(国土交通省令で定める者)である場合
- 建設業許可の取り消しを受けて5年以内のもの
- 不誠実な行いにより、営業停止処分を受け、現在も停止処分中のもの など
まとめ
外壁塗装業でも、500万円を超える工事を受注する場合は建設業許可が必要です。塗装だけであれば、500万円以内に収まるケースがほとんどですが、1件でも500万円を超える工事を請け負うことがあれば、必ず許可を取得しましょう。
許可を取得していれば、社会的信用を得られ、仕事の幅が広がる可能性もあります。建設業許可取得を検討する場合、まずは要件に該当するか確認することから始めましょう。
執筆者
佐藤 一清
行政書士法人 日本法務 代表社員・行政書士。建設業許可・風俗営業関係の届出・在留資格申請など許認可業務を主な業務とし、令和8年8月に個人事務所 日本法務事務所から法人化。正確さとスピードを両立した法務サポートで、事業者のスタートアップを支える。(日本行政書士会連合会 登録番号 18081237)
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